第4章 好き
「……重くない?」
目の前の千石くんは微笑んでいるけど頬が上気していて、色っぽい。
胡座をかいた上に跨るように座らされているから、視線が少しだけ、私の方が高い。
「どうしよう、夢、みたい」
呟くと千石くんが一層目を細めた。
「夢じゃないよ」
首元に顔を沈められ、少しくすぐったい。
目の前に、無防備にさらされた首筋に汗がきらきらしている。無意識に舐める様に舌を這わせた。
「うん?」
千石くんが顔を上げる。近い。
「なんか、汗が、きらきらしてて、綺麗で」
「もー、なんでそんな可愛いかな」
今度は 胸に、ぽす、と千石くんの顔が沈む。
「ひゃ」
「うわ。なにこれ、超気持ち良い〜〜〜〜」
顔を左右に振る千石くん。胸がふるふると振動でゆれる。
「あっ」
下から掬うように胸に手が触れ、声が出てしまった。
慌てて口元に手をやると、千石くんが嬉しそうに私を見た。
反対の手が私の手を触る。指が絡む。温かい。
ぐい、と手を引かれ、脇を舐められた。
「ひゃうんっ」
くすぐったいけど、何か、違う。
「あっ、ちょ、だ、め、そんなと、こ」
腕を動かすけど、力の差を感じるだけだった。
「あぅっ、んっ、くすぐったっあっ…」
何度も何度も脇の下を、舌でなぞられる。
「本当に、くすぐったいだけ…?」
千石くんが少し意地悪そうに笑う。
「あっ」
スカートの下に手が入ってくる。
撫でられた瞬間、下着がぐっしょり濡れているのに気付いた。
千石くんの瞳に心が掴まれるような感覚を覚える。
紅潮した頬が笑みをさらに艶かしくしていて、心臓が痛いくらい鳴っている。
「んっ」
入り口をくすぐるように触れられ、ぬちゃ、と音がした。
恥ずかしい。
「すごい…」
「や、言わないで…」
「やだ、だって、感じてるんでしょ?」
わざと拗ねた子供みたいな声を出して、指が私の足の間を撫でた。