第4章 好き
「わた、私重いから、おろして…」
近づいた顔に照れてか語尾が小さくなっていく。
「重くない重くない♪」
ベッドに下ろしそのまま覆いかぶさる。
「んっ」
キスを落とすと真っ赤な顔で見詰められた。
あ~…かわいいんだけど。
瞳が潤んでいて、熱い。
「き、きぃちゃん」
「うん?」
そんな可愛いあだ名つけられたの、初めてだ。
「えっと、その…」
身体を密着させるように首をペロリと舐める。
「ふぁっ」
身体がびくっと動く。
「緊張、してる?」
潤む瞳が少し揺れる。
「ごめん、ちょっと、可愛くて暴走しちゃった」
舌を出して、起き上がり、横に腰掛けた。
「…」
放心したように手足を投げ出したままのちゃんと目が合う。
「ごめん、びっくりしたよね…?」
少し反省して頬に触れると、その手にちゃんが手を重ねた。
「大丈夫、どきどきしただけ」
笑顔にまた胸が苦しくなる。
「続き…する?」
そんなこと言われて、しないなんて言う男いるんだろうか。
「…する」
ちゃんが起き上がり、俺にキスをした。
触れるだけのキス。
足りないよ、そんなんじゃ。
首を後ろから支えるように抱く。
唇を味わう様に舐める、力が抜けたのか開いた唇に舌を差し込む。
「ん、むぅ」
はぁ、と小さく酸素を取り込もうとする小さな唇。
唇でふさいで、舌を入れ歯茎をなぞった。
さっきちゃんが飲んだ、りんごジュースの味がする。甘い。
長いまつ毛が震えていて、0距離にの顔に見惚れる。
遠慮がちに動く舌を吸うように絡める。
どちらの唾液かわからないけど、ひどく甘い。
「んっ、ふぁ、はぁ、はぁ」
唇が離れるとやっと、という感じで呼吸を始める唇を、指でそっとなぞった。
うっとりとしている様に見えるけど、大丈夫だろうか。
なんか、俺、勢いでとんでもないことしてるんじゃないだろうか。
細めた目は俺を見つめている。
「なんか、すごくドキドキしてて、変なの…」
心臓が持たないかもしれない。
もう一度抱き寄せ、今度は胡座をかいた上に座らせた。