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【テニスの王子様】千石清純【裏夢】R18

第4章 好き


好きって言われたの、なんだか嘘みたい。

「千石くんは、近所に住んでいるのかい?」

「あ、はい、歩いて5分くらいです」

「そうか、いつでも来てくれて良いからね。男の子がいれば僕も安心だから」

「何言ってんの!」

「あは、ちゃん、顔真っ赤」

「だ、だって、ごめんね、うちの馬鹿親が…」

「大丈夫、危ない目になんて遭わせないよ。俺も部活あるし、部活の日も、そうじゃない日も、一緒に帰ろうね」

ストレートな言葉。

真っ直ぐな瞳。

揺れるオレンジの髪。

なんで、私を好きなんていうんだろう。

「引き留めてすまなかったね、良かったらゆっくりしていってくれ」

「いえ、お言葉にあまえて少しゆっくりさせていただきます」

千石くん、ずいぶん落ち着いてるなぁ。

お父さんは立ち上がり部屋へ行ってしまった。

少し沈黙が落ちる。

「「あの」」

「あ、ごめん、千石くんからどうぞ」

「ううん、ちゃんからどうぞ」

千石くんが笑う。

「えっと、私の部屋行く?」

「ああ、良いの?」

「うん、2階なの、行こう」

新しい紅茶のポットとカップ、クッキーをトレイに乗せると「ー!」とお父さんの声がした。

「なぁにー」

「何してもいいけど、避妊はちゃんとしろよー」

「なっ…セクハラ親父!!明日のお弁当おかずなしにするからね!!」

「はっはっは」

笑い声がむかつく。

思わず叫び返すと千石くんが声を殺して笑っていた。

顔から火が出そう。

「ごめんね、馬鹿親父で…」

「面白いお父さんだね」

最低、さっき似てるって言ったの、撤回。
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