第5章 本丸
そんな私の言葉を聞いて、白髪の少年は意を決したように口を開いた。
五虎退「っ・・・ぼ、僕は五虎退って言います。
あの・・・・・・貴女は、前の主様みたいに・・・虎くん達に酷い事したり・・・僕達をぶったりしないんですか?」
四季「・・・・・・え、なんで?」
五虎退「・・・へっ?」
四季「そんな事したら君が悲しむじゃん。
そんなの見たくないし、せっかくちび虎くん達も五虎退も可愛いんだからそれをぶったりするなんて私には出来ないよ」
小狐丸「ふふ・・・。
鳴狐に五虎退。このぬしさまは見ての通り、私の毛並みに櫛を通してくれたり貴方達の大切な友のキツネや虎達に対して優しい手つきで撫でています。
それに、貴方達の身体も治されたのですよ」
小狐丸の援護射撃もあってか、五虎退と鳴狐はお互いに顔を見合わせてから私に近寄って来た。
鳴狐「・・・これから、よろしく」
五虎退「よ、よろしくお願いしますっ!」
四季「ん、よろしくー」
ぽんっ
挨拶代わり、と言う事でよろしくついでに小狐丸にしたように私は2人の頭を撫でた。
五虎退も鳴狐も、少しビクッとしたけど撫でられていると解ると嬉しそうにしてくれた。
うん、2人とも可愛いなー。
・・・いや、別にショタコンって訳じゃないからね。普通に可愛いなーって思っただけだからね?
千代金丸「お、ここに居たのか」
四季「あ。千代」
千代金丸「今、岩融と一緒に荒れ放題の畑を耕してたとこさァ。
・・・で、一方の姫は動物に囲まれてるみたいやけど・・・」
四季「フサフサのもふもふでふかふかのふわふわ。いやー、もう最高だよ・・・!天国天国」
千代金丸「へいへい・・・」
千代もやって来て、ほんわかした空気に拍車がかかる。
・・・て言うか、千代。
あんた畑作業で半袖にオーバーオール着てアームウォーマー着けてサンバイザー着用って・・・どこの茶摘み農家だ。
四季「さて、と・・・小狐丸、ブラッシングはこれくらいでいいかな?」
小狐丸「ええ、有難うございますぬしさま」
四季「うん、私も割と楽しかったしいーよいーよ」
ブラッシングも終わったし次は何をしよっかなと思ってたら、五虎退が私の着物の端をきゅっと掴んできた。