第5章 本丸
すーっ
・・・すーっ
すーっ
すー・・・
天気、晴れ。
場所は縁側。
四季「(ふわふわ・・・ふさふさ・・・!)」
私は現在進行形で絶賛小狐丸の毛並みを綺麗にしてあげていた。
私もいくら女子力が低いっつったってブラシくらいは持ってる。櫛でやろうかとも思ったんだけど、どっちでやる?って聞けば毛櫛の方が良いと答えた小狐丸の意見を優先した。
広間の襖を背にして小狐丸に縁側に腰掛けて貰って、私はその後ろからせっせとブラッシングをかけていた。
・・・それにしても、だ。
本当に小狐丸の髪の毛はどうなっているんだ。
サラサラふわふわ・・・サラサラのふっわふわ・・・!!
四季「ほんとにお世辞抜きでさー、近くで見ると更に綺麗な髪の毛だよね」
小狐丸「お褒め頂き光栄です♪」
四季「私、自分以外の髪を手入れするのとかやった事無いからもし痛かったら言ってねー?」
小狐丸「大丈夫ですよぬしさま、痛いどころかとても心地よいです」
四季「そっか、それなら良かった」
やべ、まじ平和・・・。
まだこの本丸に来て一日しか経ってないけど、平和だ。
小狐丸「ええ。
・・・ところで、ぬしさま。ひとつお聞きしたい事があるのですが」
四季「うん?」
小狐丸「鶴丸から、何かされませんでしたか?」
四季「鶴丸から・・・??」
思っても見なかった質問の内容に、私は動かしていた手を止めた。
・・・え、何かあったっけ。
そりゃ昨日はあんな刀と刀を交わせたりしたけど、今日はこれと言って何もされてない・・・はず。
四季「されてないよー?
寧ろ、私の事を運んどいてって頼んでたんだけどちゃんと審神者部屋に運んどいてくれてたみたいだし後でお礼言っとかないとなー」
小狐丸「・・・運んでおいて、と申しますと?」
四季「ほら、朝も言ったけど手入れと鍛刀を霊力でやったから少し疲れちゃって。
それで鶴丸の部屋で寝落ちして、その時に運んどいてーって頼んだんだ」
小狐丸「・・・・・・そう、ですか・・・それならば良いのです」
???
なんか気になる事でもあるの?って聞こうとすると、ふと視線を感じた。