第5章 本丸
四季「えーっとね・・・。
こっちの髪の長くて服まで白くないのが小狐丸。今朝知り合って、私の事をぬしさまって呼んでくれる刀剣。
んで、こっちの髪短くて服まで白いのが・・・鶴丸。こっちの鶴丸に関しては、私も聞きたい」
鶴丸「よっ、あんたも昨日振りだよな。
取り敢えず名前教えてくれよ」
千代金丸「おう、昨日振りさな。
自分は千代金丸。琉球の出で、姫とちっこい頃からの付き合いさァ」
小狐丸「・・・自己紹介はそれくらいにしておきましょう。
鶴丸。何故、貴方がこの朝餉の場に・・・しかもぬしさまの隣へ座って頬へ口付けまでしたのですか?」
あ、これ小狐丸めっちゃキレかけてる。
ついさっき聞いた「お早う御座います、ぬしさま」って柔らかめな低音ボイスじゃなくなってる・・・!
鶴丸「だから怖いっての・・・。
俺がここに来たのは、そのお嬢さんがどんな人間なのか知りたかったからだよ」
千代金丸「・・・どんな人間か、ねえ。
でもそれだけだったら、わざわざメシの席に知れっと参加して尚且つ殺気ゼロにしてまで近づかんと思うさァ」
鶴丸「そりゃ殺気出してたら何かしら警戒されるだろ?
それにそんなに心配されなくても、昨日桜を咲かせてもらってから殺気なんてこれっぽっちも出してないっての」
そう言いながら手をひらひらさせる鶴丸。
・・・まあ、確かに昨日とは段違いな態度だ。