第5章 本丸
鶴丸「はは、昨日振りだな。お嬢さん♪」
四季「あー・・・えっと、鶴丸・・・って呼ばれてたっけ?」
鶴丸「まだ名乗ってなかったな。
俺は鶴丸国永(くになが)だ。平安時代に打たれてから、主を転々として生きてきた・・・まあ、人気者ってやつだな」
四季「うん、鶴丸ね。
・・・で、なんで居るの?」
鶴丸「なんでって、そりゃ俺も刀剣男士の一振りだからな。腹くらい減るさ」
四季「ごめん、聞き方間違えたね。
昨日私を殺す勢いで殺気を放ってた内の一振りなのに、なんでその翌日に平然かつ和気藹々(わきあいあい)としながら朝餉の席に参加して私の頬に付いた米粒をわざわざ口で取ってくれたのかなー。って意味で聞いたんだけど?」
鶴丸「おお、一息でよく言えたな・・・」
岩融「まあまあ、そうカッカとするな。
主と小狐よ。せっかくの朝餉の席だ、冷めてしまっては勿体無いだろう!」
それもそうか、と私は一旦会話を中断して朝餉を再開した。
その間にも小狐丸は鶴丸に警戒心を向けていた。
・・・お。この目玉焼き半熟だ。
・・・で。
朝餉終了。
食べ終わったお盆やらを小狐丸が素早く回収して厨に向かい、かと思えばすぐに居間に戻って来た。
え、凄い。小狐丸曰く、「野生ゆえ、速いのですよ」だそうだ。・・・野生ってなんだっけ。
千代金丸「さーて・・・取り敢えず話聞くさァ。
姫、この白髪二人は誰なんだ?」
あ、そっか。
現在進行形で一番話についていけてないのは千代か。