第5章 本丸
やる事を終わらせた時、丁度千代が「姫ー、朝餉出来・・・って、しっかり起きてる・・・!?」と声を掛けながら私の居る部屋へとやって来た。
全く失礼な奴め。俳優並みなリアクションを取らなくてもいいじゃん。
そして千代から案内された先は居間だった。
中央には木彫りの四角い卓袱台(ちゃぶだい)があって、その上に朝餉が置かれてあった。
その後岩融や小狐丸も揃い、みんなで朝餉を食べ始めた。
四季「・・・お、ちゃんとシャケ入りだ。
ん、美味しいー。・・・うん、味噌汁もわかめがふやけ過ぎてない」
鶴丸「おー、俺も久々にちゃんとした御飯にありつけたぜ。うん、やっぱ朝しっかり食べないとダメだなー」
四季「だよねー。
朝餉抜くと力出ないって言うし。その上頭回んないから大変だよまったく・・・」
鶴丸「へえ、それは知らなかったな。・・・ん?
おっと、米粒がついてるぜー?」
四季「え、マジか。
ここ?」
鶴丸「あ〜、そっちじゃなくて・・・ここ」
ちゅ
チャキッ
四季「はい小狐丸ストップ。
あ、ストップって言うのは止まってって意味ね」
小狐丸「鶴丸・・・貴様ぁ・・・!」
鶴丸「おーおー、おっかないねえ・・・」
何気なしに会話をしていると、ふと右の頬に何かが触れた。
そしてそれに続いて刀の柄に手を掛ける音が聞こえて、私はひとまず小狐丸に右手の掌を向けてストップを入れた。
そのまま視線をすぐ傍の右にずらす。
そして、一言だけ言った。
四季「・・・で、なんで?」