第5章 本丸
ぎゅっ!
小狐丸「っ、?」
四季「・・・依代は太刀。宿りしは小狐丸。
刀剣に目覚めし付喪の神を、在るべき姿へ」
・・・ぽわん
要は依代の刀剣に触れてれば手入れは出来る。
私は小狐丸に左手で抱きついて、右手で小狐丸が腰の左側に帯刀している刀に触れた。
そして言霊を唱えて手入れをする。
仄白い光が私の右手に灯り、刀剣を包み込んで小狐丸の身体全体に浸透していく。
四季「・・・これでよし、と。
うん、だいぶ楽になったでしょ?」
小狐丸「・・・はい。確かに先程までの怪我が嘘のように治っております。
しかし、ぬしさま・・・今のは一体?」
四季「早い話が、私の霊力で手入れをしたんだ。
本体の依代に触れてれば大丈夫で、打ち粉でぽんぽんやっても手入れ出来るんだけど・・・資源無いみたいだし」
小狐丸「霊力で手入れ、ですか・・・今までの審神者とは訳が違うと言う事ですね」
四季「ま、そう言う事。
・・・って、冷めちゃったね。お粥」
手入れも終わった事だし、そろそろお粥を・・・と思ったら。
当のお粥はすっかり冷めてしまっていた。
あー・・・まあほったらかしにしたまんま喋ったり手入れしてたもんね。
小狐丸「・・・お言葉ですがぬしさま。
ぬしさまの近侍に変化し、更にはその御命を奪おうとした私の作ってきた物を疑いもせずに口になされるおつもりですか?」
冷めてるけどせっかく作ってもらったんだしなー・・・って考えてると、小狐丸からそう言われた。
・・・ん?