第5章 本丸
机の上にはほかほかと湯気が立つお粥。
その脇には小皿の上にちょこんと梅肉があった。
一番手前には蓮華。
四季「おー、美味しそう」
千代金丸「熱いから、冷まして食べろよ」
四季「ん。解ってるー」
机を挟んで向かい側に千代が片膝を立てて座る。
・・・ふぅん、なるほど。
四季「そう言えばさ、千代」
蓮華で梅肉を軽くほぐしながら、ある事を思い出して私は千代に声をかけた。
千代金丸「ん?」
四季「この本丸で暮らし始めた訳だけど、向こうに定期報告しに行くのいつにしよっか?」
千代金丸「定期報告か・・・そうさなあ。
俺はいつでもいいぜ、姫に合わせるさァ」
四季「そっか。
そんじゃ、もう一つ質問いい?」
千代金丸「なんさ」
定期報告、しに行く・・・ね。
いつでもいい、私に合わせるときたか。
ふむふむ、なるほど。
でも及第点かなー。
四季「きみ、だれ?」
梅肉をほぐす手を止めて、あくまで目線は千代の目を見て。
聞かれるはずの無い質問をされて、千代は「・・・は?」と答えた。
うん、まあそれが普通の態度だよねー。