第5章 本丸
四季「・・・あー。よく寝た・・・。
今は・・・と。・・・・・・・・・おー、割と眠れた・・・」
私が本丸へやって来て、その翌日。
昨日はあの後、傷口を消毒してから手拭いを当てて包帯でぐるぐるーって巻いた。そして結局夕餉やら湯浴みやらをすっ飛ばしてそのまま眠った。
・・・いや、ね?
お腹も空いてたし、ひと汗かいたんだから入りたかったよ。お風呂。
でもね、私は食欲とかの前に睡眠欲が頗る(すこぶる)強い。だからその睡魔に従うように寝た訳なんだけど・・・。
四季「・・・夜明け前の三時・・・。
うわ、微妙な時間帯に起きちゃったよ」
それでも翌日は翌日だ。
ちなみに枕元にある木製の時計は寝る直前に千代から受け取った。
体内時計だけじゃ感覚おかしくなるだろうから、との事。ありがとう千代。
四季「・・・?
だれ?」
千代金丸「開けていいか、姫」
四季「千代か。
・・・・・・。ん、いいよー」
すーっ
千代金丸「そろそろ起きる頃だと思って、簡単な夜食作ってきたさァ」
四季「おー、気が利く。
何作ってくれたの?」
千代金丸「粥(かゆ)だ。
寝起きですぐ食べれるだろうと思ったんさ。具は梅肉にしておいた。起きれるか?」
四季「ん。起きれる」
私がのそりと起き上がってから、千代は壁際にあった机を引っ張ってきた。
そしてその上にお盆に乗せたお粥が入ってるお椀を置いた。