第4章 結界
岩融「おっと、主の部屋はここか」
どこか私の霊力と馴染む部屋の前で、岩融は止まった。
襖と障子が二枚ずつ部屋の出入口となっていて、心なしか来る時に通り過ぎた他の刀剣男士達の部屋の外観よりしっかりしてる・・・ような気がする。
すーっと襖を開ければ、そこは和一色だった。
まあ、そりゃこの本丸全体が和を基調としてるんだから当たり前か。
部屋の隅には寝床となる敷布団・掛布団・枕が綺麗に畳まれて積まれてある。
真向かいの壁には大きな丸い・・・多分外を眺められるような感じの穴。
出入口すぐ横には何か書いたりする時の為の木で出来た机と、その下に座布団がある。さすがに勉強机みたいながっしりとした大きな机じゃなくて、片手で簡単に移動出来るようなコンパクトな形だ。長座体前屈する時に手で押すアレみたいな。
うん、シンプルな部屋で居心地よさそう。
・・・でも、ひとつだけ。
四季「・・・広くね?
畳が・・・えーと、二十枚あるよこの部屋」
千代金丸「ま、主の部屋って言うくらいだしな。
居づらいならまた御神木を介して狭くするなりしたらいいだろさァ」
四季「いや、そこまではしないけど」
岩融「がははは!!
なんとも控えめな主だな!」
四季「控えめ・・・なのか?
・・・まあいいや。千代」
案内もしてもらった事だし、いつまでも岩融を引き止めておくのもどうかと思って私は千代の手入れをする事にした。