第4章 結界
左半身が重傷と言う事で、無傷な岩融から薙刀を借りた。
横抱き(いわゆるお姫様抱っこ。姫抱きとも言う)しようかとか聞かれたけどさすがにそれは断った。恥ずかしいとかじゃなくて、岩融の身長的に横抱きされると高さが半端無いだろうから。
肩を借りれたら一番良かったんだけど、岩融・・・身長でかい。
千代はまだ重傷ではなかったから、そのまま歩く事にした。
岩融「いやあそれにしても、ここまで変わるものなんだな本丸とは!」
四季「変わる?
・・・まあ、御神木が本丸の核みたいなものだし。霊力を注げば風景はガラッと変わるよね」
千代金丸「一部瓦礫(がれき)の山になってたり、廊下に穴空いてた所もあったよな。
この様子だと、全部修繕されたんだろうさァ」
岩融「本丸の建物自体もそうだが、俺が言っているのは本丸の構造だ。内装は変わっていないが部屋の位置が配置換えされているぞ」
四季「え、そうなの?」
岩融「ああ。
見ろ、ここはついさっきまで俺の部屋だったんだが・・・今では農具置き場になっている!」
参った参った、と岩融は笑った。
・・・景趣の変更って、結界の状態や風景だけじゃなくて内部構造にまで反映されるのか。
初めて知った。
四季「あー・・・これは私も知らなかった。
前の構造とまるっきり変わってるって事は・・・迷子になる人続出しちゃうのかな」
岩融「どうなんだろうなぁ。
まあ、もし迷っている者が居ても霊力を探すなりするだろうから大丈夫だ!」
・・・迷子になってる人居たら、案内してあげよ。