第4章 結界
そこにあった・・・じゃなくて居たのは、かなり体格のしっかりした青年だった。
体格のいい青年「いやあ、危なかったな!
これぞ危機一髪とも言うべき場面だな。首の皮は繋がっていような?」
四季「・・・・・・・・・」
体格のいい青年「んん?
見たところ刀は首までは届いておらんように見えるが・・・剣圧に気圧されて声も出せぬか?
がはははは!!!」
・・・・・・あれ。
ちょっと待てよ?
この豪快な喋り方と右斜め上なテンション・・・。
四季「・・・あ。
もしかして、あの時の?」
体格のいい青年「なんだ、忘れていたのか!
まあ時が経っているのだからしょうがなしか!」
三日月「・・・・・・何故邪魔をする。岩融(いわとおし)」
岩融「何故、か。
自分の主を護るのに理由が必要か?三日月」
三日月「・・・主、だと?」
岩融「そうだ、主だ。
刀剣男士が主に仕えるのは当然だろう」
三日月「その主にされた仕打ちを、忘れた訳でもないだろう」
岩融「ああ、忘れた訳ではない。
だがな三日月・・・俺はここに居る主を信じると決めた。
だから俺は俺の主を護るぞ!」
ででん!とでも効果音のつきそうなくらいにきっぱりと言い切った、岩融と呼ばれた薄い橙色髪の青年。
どうやら、彼が三日月の刀から私を守ってくれたようだ。
視線を彼の手元に巡らせれば、身の丈より長い薙刀を持っている。
現在進行形でも三日月の刀を受け止めてくれているのがその証拠だ。