第4章 結界
四季「(届け・・・っ!)」
左腕のズキズキジンジンする痛みに耐えながら、私は必死に右手を御神木に伸ばした。
彼らから完全に背中を向けてる事もあり、鶴丸がどれくらい私に接近してるのか解らない。
けど、相当近くに居るはず。
鶴丸「残念だった、なっ!」
ザシュッ・・・!
四季「、〜〜い゙ぃっ・・・!!」
どさっ
だけど私の右手の指が御神木に微かに触れたかけた瞬間、今度は左脚に激痛が走った。
その痛みに耐えかねて、私はバランスを崩して転んでしまった。
その様子を見ていたのか、千代の焦る声が「姫っ!」と呼ぶ。
四季「・・・っい、った・・・ぁぁ!
ああもう・・・っ、なんで二人して左半身ばっか傷負わせるのさ。なに、私の左半身になんか恨みでもあんの・・・!?」
鶴丸「あんたの左半身ってよりは、あんたが審神者って事に恨みがあるんでな・・・」
四季「恨みがあるのは否定しないんだ・・・、ッ・・・。
・・・それで?
今・・・ここで審神者の私は殺されちゃうって訳?」
鶴丸「・・・俺達に審神者は必要無いんでな」
その綺麗な顔立ちに少し影が落ちる。
審神者が必要無い、ね。
四季「・・・あー・・・春の花ってなんだっけ」
鶴丸「は?」
四季「いいや。
ごちゃごちゃ考えるのは性分じゃないし。
取り敢えず・・・・・・、」
怪訝な表情を浮かべる鶴丸。
私は出来るだけ多くの春の花を頭に思い浮かべて、叫んだ。