第4章 結界
千代が時々私の頭をぎゅーぎゅー押さえつけるような行動を取ってた目的がまさか、私の身長が伸びるのを押さえ込む為だったなんて・・・。
と。まあ。
今はそれどころじゃないよね。
私も取り敢えず一難を脱したものの、千代の状態を見ると・・・頭上に浮かび上がってる刀剣の生存値を示すマーカーが黄色から橙色(だいだいいろ)になりかけてる。
軽傷を過ぎての中傷ってところか。
四季「(私は左腕が使えないし、千代は・・・着物があちこち破けてて刀剣本体も刃こぼれし始めてる)
・・・一応聞くだけ聞いとくけど、千代が相手してたのって・・・」
千代金丸「姫の視線の先に居る、髪から服装まで白い奴さァ」
四季「だよねー。
うわーお、一難去ったと思ったらまだ一難あるとか勘弁して欲しい・・・切実に」
パラパラ・・・
白髪の青年「・・・へえ、そっちの女の子は中々やるみたいだな。見たところ吹っ飛ばされたみたいだけど・・・大丈夫かー?三日月(みかづき)のじーさん」
三日月「・・・・・・はっはっは・・・。
年甲斐も無い事をするものではないな・・・じじいとしてはもう休みたいところだ」
ぱんぱんと軽く着物に付いた砂埃を払いながら、三日月と呼ばれた黒髪の青年が背筋をゆるく伸ばしたまま歩いてきた。
その様子と、対峙していたであろう私の状態を見ながら白髪の青年が歩いてくる。
・・・またイケメンか。
ここまでくると、刀剣男士ってのはイケメンしか居ないのだろうか。