第4章 結界
四季「っぅ・・・っは、・・・はあ・・・っ・・・」
あー、左肩熱い・・・。
ものっそい、熱い。
これ燃えてるとかじゃないよね。
感覚から・・・いや痛覚からして、貫通はしてる。
風穴開いて風通し良くなったから涼しいはずなのに、燃えるように熱いとかどんだけだよ。
青年が、刀を持っている右腕を引く。
あー・・・多分次の攻撃で私の息の根を止めるつもりなんだ。
ついさっきまで呼吸するのも辛かったのが、大分マシになってきた。
噎せて咳き込んでいた呼吸を落ち着かせながら、その光景をぼんやりと眺める。
いつか見た、映画のワンシーンみたいなスローモーションと同じ感じに見えた気がした。
黒髪の青年「・・・消えろ。人の子よ」
凛とした声で、そう呟かれる。
ホント、ムカつくくらいに清々しい良い声たなぁ。
私を忌々しそうに、見下ろしながら。
青年は引いていた右腕を私の心臓目掛けてまっすぐに刀を振るう。
・・・まだだ。
まだ。
・・・・・・チャンスは、ここだ・・・っ。
─ヴヴンッ・・・!
黒髪の青年「!」
四季「やだ」
左胸に刀の切っ先が触れかけた瞬間。
私はそれまで感じ取っていた纏わり付く負の霊力やら聴こえていた聲ごと跳ね除けるように・・・無傷な右手に出せるだけの霊力を集中させて、青年の胴当てに思っきしぶっ放した。