第4章 結界
私の言っている事が不可解なのか心当たりがあるのか、黒髪の青年はただ静かに視線を私に向けている。
だけどその手に持つ絵に描いたように綺麗な刀は私に切っ先を向けたままだ。
・・・どうする。
言った方がいいのかな。
いやでも確証が無いし・・・。
逡巡迷ったけど、言うしかないと思って私は彼の聲を言葉にする事にした。
──・・・
四季「」
黒髪の青年「・・・?」
──ジッ・・・ギィッ
『・・・モウ・・・』
四季「・・・もう、やめてくれ」
黒髪の青年「・・・なに?」
──・・・ガリ・・・ッッ
『イヤだ・・・』
四季「・・・嫌だ。やりたくない」
──グシ・・・ジゥッ・・・
『こレ以上ハ・・・』
四季「・・・これ以上は・・・壊れてしまう」
黒髪の青年「・・・、・・・!」
──ザ・・・ジャ・・・
『モう、命じ・・・』
四季「・・・・・・もう、命じないでくれ。・・・呼ばないでくれ」
黒髪の青年「・・・っ・・・!
・・・、・・・・・・やめろ・・・」
──・・・ヂリッ・・・
四季「『誰モ、殺シタクナンテナイノニ』」
黒髪の青年「っっ・・・!!
やめろと、言っているだろう!」
ヒュウッ・・・!
風が、やんだ気がした。