第4章 結界
もくてきち すぐそこなのに あきのそら。
訳:目的の場所までもうすぐそこだと言うのにたどり着けない。秋のカラリと晴れた空がなんかムカつく。
──グ・・・ギギ・・・ッ
四季「・・・っつ・・・。
(せっかく一句出来たのに・・・少しは収まってくれない、・・・よねー)」
句をつくった意味は特に無いけど。
いやそれ以前にこの本丸の季節が秋かどうかも不明だしね。
一瞬現実逃避したくて。
でもすぐに聲がそうはさせてくれなくて。
・・・なんなの。
あくまでも御神木にたどり着かせたくないの?
黒髪の青年「・・・死合い中に考え事とは、随分と余力があるように見える」
この人と刀を交じわせ始めてから、どれくらい経ったかな。
多分・・・1時間くらいかな。
おかげで頭ガンガンする。
四季「いやいやそんな。
正直限界かな、色々と。
・・・ずっと止まない・・・止みそうもない聲をこんなに聴くなんて、私も想定外だしね」
黒髪の青年「・・・・・・こえ・・・?」
四季「そ、聲。
耳を塞いだって聴こえてくるんだよね。
痛い・・・辛い・・・苦しい、嫌だ・・・って」
黒髪の青年「・・・妄言で逃げ道をつくろうとしているならば無駄だぞ」
四季「逃げ道?
はは、逃げても何も始まらないじゃん。
それに、キミ自身からも・・・ちゃんと聴こえてるよ」