第4章 結界
カンッ、
四季「よ、っと・・・。・・・ん?
・・・わー、千代が頑張ってる」
壊れかけてた梯子を見つけて、それを使って屋根の上へ登った。
その時に近いようで遠い曖昧な距離から刀と刀がぶつかって、鍔迫り合い(つばぜりあい)をしているような音が聞こえてきた。
きっと千代が誰かと鉢合わせしたんだ。
頑張れ、と小さく合掌して屋根の上を歩いた。
瓦屋根はどこもかしこも剥がれていたり砕けていたりと酷い状態だけど、それでも足場が無いよりはマシだ。
微かに消えかかってる御神木の神気に意識を集中して探ってみると、どうやら中庭の方にあるようだ。
本丸にぐるりと囲まれてる構造みたいだし、中庭で間違いない。はず。
なにぶん、こうしてどこかの本丸に足を踏み入れての散策とかは初めてだ。
全部の本丸がここと同じ構造なのかは解らないけど、今はとにかくすぐにでも結界を張り直さなきゃ。
四季「中庭は、と・・・。
・・・あーもう、負の霊力と神気とか聲で集中しにくい・・・・・・」
この本丸に到着して早々に、地肌に纏わり付くような負の霊力と負の神気を感じた。
そして追い討ちをかけてくるかのように頭に直接響いてきた聲。
まだ大丈夫だけど、霊力が弱かったら確実にダメだった。
頭を抑えて泣き叫んでいたかもしれない。
うん、私の霊力チート並ワロタ。
いや笑えないか。