第3章 開門
ひとつの問題を除けばって言った気がしたけど・・・逆に言えば、何か問題があるのだろうか。
四季「向こうの本丸でなんかあったとか?」
太公望「いや、本丸自体に異常は見られない。・・・まあ、異常と言えば異常な状態か。
私が言っているのは、気絶や記憶の混濁はしないものの本丸の霊力がどうも微弱で不安定なのだ。・・・ここまで言えばさすがのお前でも解るな?」
四季「私の霊力に干渉してくるかもしれない、って事か」
太公望「御名答。
あの本丸は我々の方では現時点ではある意味手がつけられない状態にある。
向こうに到着し次第、まずは最初に結界を張り直す事が必須となるだろうな」
四季「ん、解った。
干渉されそうになったら私が適応するよ。
霊術に関しては女媧姉からお墨付き貰ってるしねー」
太公望「フ・・・。そうだったな。
さて、私は最後の調整に入ろう。
・・・じきにお前の心友も来る。お前も荷の確認や霊力の調整をしておく事だ」
そう言って、望兄は門の所に戻って持っていた書物を開いて何かの確認を始めた。
・・・いよいよ、か。
哪吒「四季」
四季「ん?」
哪吒「はい、これ」
哪吒に名前を呼ばれれば、右手に何かを握らされた。
何だろうと握らされた物を見てみれば、それは水色の勾玉だった。首に掛けられるように、黒い紐がついている。
え、何これ?