第3章 開門
がちゃ
四季「・・・うわ、律儀に待ってたんだ?」
哪吒「まあね。
ほら、行こ?」
四季「え、どこに?」
着替えも終わり、部屋の外に出れば廊下の壁に寄りかかる哪吒がそこに居た。
・・・大人しく待ってた、だと・・・?
今日は別に実践とか予定に無かったと思うんだけどな・・・。
哪吒「どこって・・・ボクがせっかく起こしてあげて送り迎えまでしてあげてるのにとぼけるの?」
四季「え。
とぼけるって言われても・・・。て言うか、起こすなら普通に起こせばいいじゃん」
哪吒「寝起き悪いじゃん、四季。
この前だって普通に呼び掛けて起こしたら抱き着かれたし」
四季「あー・・・まあそれは否定しないかも。
でも本当に、どこ向かってんの?
今日は別にこれと言って予定は無いんだけど」
本当に行き先が解らない。
そんな私に対して、哪吒は「うーん、教えないままでもいいかなー」なんて呟き始めた。
・・・案内する為に待っててくれたんじゃないの。
ぽふんっ
四季「わっ」
こんのすけ「ひめさまっ!
おはようなのです!」
四季「おー、こんのすけ。
うん、おはよ。朝からもこもこだね」
歩いてると不意に肩に軽く重みが掛かる。
聞こえてきたのはもはやすっかり私の耳に馴染んだ声。
こんのすけだ。