第3章 開門
寝台に寝ていた状態から、床に降りる。
左手に込めた霊力は私の寝首を狩りに来た相手のお腹に見事直撃し、開いていた窓の向こうへとそのまま吹っ飛ばしてやった。
・・・いや、違うか。
四季「・・・御丁寧に窓を壊して入って来るとか・・・」
桜色髪の少年「いてててて・・・。
今のは中々強かったね」
四季「戻って来るの早っ・・・。
・・・窓、ちゃんと直しといてよね。哪吒(なた)」
哪吒「はいはい。
ちぇー、上手くいくと思ったんだけどな」
うん、こいつ全然反省してない。
呆れたように溜め息をひとつ零す。
起床一番に随分なご挨拶をしてくれたこいつ。
色素の薄い桜色の短髪。
少し薄めの肌。
若干垂れ目がちな赤目。
両耳には幾何学的な模様が描かれてる耳宛を装着していて、それが外れないように髪の上に黒いのも取り付けてる(カチューシャに見えなくもない)。
服装はいつもと同じ。所々に赤い刺繍がされてある黒い七分袖と七分丈ズボン。両肩には耳宛の模様と同じ感じの肩当。
両腕両足には黒い包帯が手首やら足首まで巻かれている。
名前は、哪吒(なた)。
何かと理由をつけて私に殺し合いやら手合わせやら訓練やらをふっかけてくる、困った奴だ。
・・・今日みたいに寝ている所を襲撃されるのも、今日が初めてじゃないんだけど。