第3章 開門
人間も動物も、その身に生命の危機やらを感じ取れば否応なしに反射的に反応する。
それを思い知ったのはいつだったか。
最初の頃はまあ、何度も死にかけた。
現代に居た頃は「生きるの疲れたなー」とかボヤいてた私をはっ倒したくなるくらいに。
多分霊界で暮らす今、またそんな事を呟こうものなら寝首を狩られるどころでは済まない。起きてる首すら狩られるだろう。
・・・何を言ってるのかがサッパリになってきたところで、私は現実逃避するのをやめた。
四季「・・・朝っぱらから随分なご挨拶をされたもんだね」
桜色髪の少年「おはよう、四季」
四季「ああうんおはよう。
朝の挨拶も済んだ事だし、その手を引っ込めてくれないかな」
桜色髪の少年「せっかくなんだし、一戦殺り合おうよ」
四季「やだ」
桜色髪の少年「そう言わずにさ。
すぐ終わるから」
四季「その“終わる”って息の根を止めるって意味で使ってるよね・・・確実に」
桜色髪の少年「じゃあ、先手必勝ね?」
ぐぐっ・・・
四季「、ちょ・・・。
寝起きでこれはキツい・・・、っての・・・!」
そう、寝てて起きたばっかなんだぞ。
相も変わらずな相手の横暴さに、私は左手に霊力を込めたのだった。