第2章 開幕
改めて子狐を見る。
身体の大きさは・・・小型犬のチワワくらいだろうか。
顔全体と耳は白。耳の先端は山吹色、中は朱色。
それ以外の身体は山吹色の色鉛筆で塗った感じだ。
手足や尻尾の先端は白い。
そして何より、一番特徴的なのはその顔だ。
目は真ん丸で、黒目。その黒目の周りは若干黄色い。
両目の外には小さく朱色でなぞったようなアイメイク。更に朱色で水滴のしずくを逆さにしたようなものが二つずつ、右と左の目の上にある。
眉間(?)の中央には水色の一本の縦に長い丸。
そして額には勾玉の先を掴んで伸ばしたような渦巻き・・・みたいな模様。
これはいわゆる、歌舞伎とかでよく見るクマドリとやらだろうか。
こうして改めて子狐を見るけど、言うなればゆるキャラに分類するんじゃないかな。
普通に可愛い。
四季「・・・えっと、なんで謝ってるのかはさておき・・・その喋り方慣れてないんじゃない?」
きつね?「えっ・・・」
四季「なんとなく喋りづらそうだし。
君が喋りやすいように喋りなよ。私は別に気にしないし」
きつね?「で、ですが・・・」
千代金丸「こいつもこう言ってんだし、その硬っ苦しい畏まった喋り方じゃなくてもいいと思うさァ」
私と千代にそう言われて観念したのか、子狐は「・・・さにわさまがたが、そういうのならば・・・」と頷いた。