第2章 開幕
四季「部屋から出て、コンビニにパン買いに行ったはずだよね」
千代金丸「自分を置いてな」
四季「だって千代寝てたじゃん。
それで、いつもの道を歩いてって・・・大通りまで行った。うん、ここまではいつもと同じだ。
その時に、いつもは聞こえない鈴の音みたいなのが聞こえたんだ」
千代金丸「鈴の音か・・・。
多分自分に聞こえたのもそれだろうな。
耳で聞いたって言うより、直接頭に響くみたいな感じだったさァ」
四季「え、
千代も聞こえたの?」
千代金丸「おう。
まあ自分はそれ聞いてなんや嫌な予感がして、急いで四季の霊力を辿って飛び出たんだや」
四季「ふーん・・・。
・・・で、その音を追って行った先に白い狐が居たんだよね」
千代金丸「・・・きつねぇ?」
四季「うん、狐。まあ私もなんで狐?って思ったけど。あれは多分子どもだったと思うよ。
その狐がね、私に向かって喋り始めたんだ。
やっと会えたとかずっと待ってた・・・とか」
千代金丸「・・・ずっと待ってた、ねぇ。
って事はあれか?
お前はその狐と喋ってたからあんな横断歩道のド真ん中で立ち止まってた訳か」
横断歩道?
・・・ああなるほど、私の死因はそれか。
千代の言葉の意味とあのけたたましい轟音の理由が理解出来て、妙に納得してしまった。