第11章 葛藤
「それを聞いて確信できた。やっぱりさっきの理由だけじゃないでしょ?」
フェリド
「そうだよ」
否定したら更に追及するつもりだったのだが、フェリドはあっさり認めた。
「じゃあなんで…」
フェリド
「自分の血を飲ませると自分より弱い吸血鬼しかできないからだよ」
「…?」
意味が分からず首を傾げる。
私と同様に、クローリーも意味が分からないようだ。
フェリド
「僕は主と従者の関係じゃない、対等な関係を望んでいるんだ」
「対等な関係って事はフェリドは私とお世話係さんに自分が飲んだのと同じ血を飲ませたのね」
そうすると自分より弱くもなく強くもない対等な実力の吸血鬼が出来あがる。
むしろそれ以外方法がない。
そんな私の考えを聞いたクローリーは感心したように笑った。
クローリー
「この子、普通の子より頭良いんじゃないの?」
フェリド
「うん。近くにミカくんがいたから目立たなかったけどアリスちゃんも11歳にしては頭いいよ」
頭が良いとフェリドも言ってるという事は私の考えは間違っていないようだ。
「じゃあ私の実力はフェリドと同じくらいか」
フェリド
「そうそう、でも他の吸血鬼の前では僕の血を飲んだ事にするからね」
「わかった」