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罪と罰【終わりのセラフ】

第26章 上位始祖との戦闘





リーグ
「…………」


実力差がありすぎて私の事を相手にしていないだけなのは重々理解している。
だからこそ本当に動いていいのかと一瞬躊躇していたのがわかったのだろう。

話し合う2人には分からない程本当に僅かにだが、リーグはこちらに視線を向けた。


「……!」


リーグがどういう意図を持って私に視線を向けたのか真意はわからない。
フェリドを救う為に動くように促したのかもしれないし、逆に自身の修復の為に私を焚き付け、視線を私に集めたかったのかもしれない。

でも動くのは今しかない。
息を殺してそっとフェリドの下半身の近くへと移動する。
これを抱えて離脱する。
絶対に気づかれるが、ここに残った私がそうしないといけない。


ウルド・ギールス
「手強い……か」

「……!?」


少しでも生存できる可能性が高い時に動こうとタイミングを見計らっていた時だった。
ポツリと呟かれた言葉に一瞬で空気が変化する。


ウルド・ギールス
「最初から手加減などするつもりはない」

レスト・カー/キ・ルク
「…………」


私だけでなく、2人も僅かに緊張したのが伝わってきた。


ウルド・ギールス
「剣よ、血を吸え」


剣が急速に血を吸い上げていく様子を見る限り、先程までのはお遊びですらなかったのだと思わさせられる。
これ程までに強い吸血鬼の相手なんて私達3人の実力だと数秒もてばいい方なくらいだ。


ウルド・ギールス
「敵を……いや、この都市ごと壊滅する」


フェリドはどう対処するつもりなのか。
為す術なく、私は2人がいるはずの空を見上げる。
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