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罪と罰【終わりのセラフ】

第11章 葛藤




「そっか」


だがそれを聞いても私はパニックを起こす事無く、驚く程落ち着いている。
恐らく意識しないようにしていただけで、なんとなく気づいていたのだ。

それに吸血鬼化したという事実があるなら起きてからの疑問が解決する。
瀕死の重症だった傷が全て治っている事。
足音だけで2人いると聞き分けれた事。

こんな事人間にはできない。
だから私は人間では無くなっている事を頭の片隅で理解していたのだろう。


フェリド
「思ったより冷静だね」

「まぁ…ね。私の体、何かおかしいから」

フェリド
「え?吸血鬼になったばっかりの時って違和感とかあるの?」


フェリドは興味深そうにクローリーに聞いた。
つまりクローリーも私と同じ、吸血鬼化した人間という事になる。


クローリー
「かなり前の事だからあんまり覚えてないよ」

「覚えてない…ってあなたも人間だったの?」

クローリー
「ああ、フェリドくんも僕も昔は人間だった」

「人間って吸血鬼になれるんだ…」


クローリーが人間だった時の事は何となく想像出来た。
でもフェリドが人間だった時なんて想像出来ないし、したくもない。

だからその事は気にせず、触れない事にした。


フェリド
「上位始祖の1部以外はみんな元人間だよ」

「どうやって人間が吸血鬼になるの?」

クローリー
「血だ」

「…血?」


意味が分からず、訝しげに繰り返す。
その反応に頷いたクローリーはフェリドの代わりに説明してくれた。
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