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罪と罰【終わりのセラフ】

第11章 葛藤




先程までの冷静さを失い、声を荒らげる私を見てフェリドは笑みを濃くする。


クローリー
「そんな事も教えてなかったのか…」


そんな私達の様子を見たクローリーは立ち上がり、溜息をつきながら近くの壁へと寄りかかった。


クローリー
「本当に君はいつ見ても最悪な吸血鬼だね」

フェリド
「あは」

クローリー
「その子の言う通り性格悪いってよく言われるだろう?」

フェリド
「そんな事言ってくるのは君達くらいだよ」

「…………」


フェリドの性格が悪いなんて分かりきっている事だからこの際どうでもいい。
早く本題に入ってくれと目で訴えると、フェリドは笑うのをやめた。


フェリド
「アリスちゃんが怖いし本題に入ろう」


何から話そうかと悩むフェリド。

そんな彼の反応からミカの生死を読もうとするが、どうしても分からない。
しかも普段と違い彼は笑っていないのだ。
余計に読む事ができない。


フェリド
「じゃあ何でアリスちゃんが生きてて、しかも傷1つ無いのか…これから話そうか」

「………」


ミカの事ではないが、それも重要な事だ。
私が頷いたのを確認すると、フェリドは話し出した。


フェリド
「それはさっき言った通り君を僕達の仲間、つまり吸血鬼にしたんだよ」

クローリー
「…それすら話してなかったのか」


若干呆れ気味のクローリー。
確かにクローリーの言う通りそれくらいは先に言っておいて欲しかった。
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