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罪と罰【終わりのセラフ】

第11章 葛藤




こんなに良い仲間に恵まれたその女の子をすごく羨ましく思った。


金髪の子
「優ちゃんはそんな事全く考えてなかっただろうけど」

黒髪の子
「…あはは」


呆れたように言われた黒髪の子は苦笑する。
つまり黒髪の子は自分の利益を考えずに助けに来てくれたという事だ。
こんな世界でこんなにも暖かい人がいるのかと驚いた。


黒髪の子
「…あいつらに目つけられるかな?」

金髪の子
「それは大丈夫だよ。僕には吸血鬼の後ろ盾がついてるって言ったから」

黒髪の子
「は?」

金髪の子
「僕らに手を出したら吸血鬼に殺されるぞって言っといた」


金髪の子は砕けた言い方だが、嘘をついているようには見えない。
この話は本当なのか私には分からなかった。


黒髪の子
「お前壮大な嘘付いたな!吸血鬼なんかと仲良くするわけねーのに」

金髪の子
「………」


黒髪の子は信じていないが、金髪の子は困ったように笑っている。
それはあの男に話していた事が事実だからなのだろうか。

でもそれが嘘だとしても、男達はもう手を出してこないだろう。
少なくともこの2人には絶対に手を出さない。

でも男達から目をつけられて仲間の所に帰りづらくなった私は格好の餌食となる。
これ以上ここに長居するのは危険だ。
お礼を言えたのでこの場を離れようと痛む体を押さえながら歩き始める。
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