第11章 葛藤
巻き込んでしまった事を自覚してゾッとした。
申し訳ない気持ちでいっぱいになり、体が震え出す。
16歳の男2
「ぐっ……!」
だが、突然男が尻餅をついた。
その男を倒したのは金髪の男の子。
男の子は男のお腹を走ってきた勢いで蹴ったのだ。
その光景を見て、黒髪の子は笑顔になる。
黒髪の子
「おお!ミ…」
金髪の子
「名前言っちゃダメ!顔も見られないようにして!!」
早口で注意をし、金髪の子は私達の背中を強く押して逃げようとした。
16歳の少年3
「くそガキが…!!」
だがそんなに上手くいくはずもなく、男が手を伸ばしてくる。
そして黒髪の子が捕まってしまった。
彼と手を繋いでいた私も一緒に引っ張られる。
黒髪の子
「ぐあっ!!」
「かはっ…!」
男は黒髪の子を私ごと路地の壁に叩きつけた。
背中を強く打ち付けて意識が朦朧とする。
そこからはもう一方的。
性欲処理を邪魔された男達は、私の事を放置して2人の男の子を殴り続けた。
黒髪の子
「人間同士で争ってどうするんだ!敵は吸血鬼だろ!」
黒髪の子は殴られながらも訴える。
でも男達にその言葉は届かず、かなりバカにしているようだった。
ミカ
「………」
「……?」
朦朧としながらそれを見ていると、異変に気づく。
それは金髪の子の空気の変化。