第10章 上位始祖の血
クローリー
「つまりどういう事?」
フェリド
「君にはしばらくここに居てもらうんだよ」
クローリー
「あー、なるほど」
僕に面倒をみさせるし、ここで生活させるって言うのはそういう事だったらしい。
ただ1つ懸念がある。
クローリー
「別に暇だからいいけど、この子僕を殺して逃げるんじゃないか?」
フェリド
「なんでクローリーくんを殺そうとするって思うの?」
クローリー
「いやいや、君はこの子の仲間を殺して来たんだろ?それなら吸血鬼って存在を殺したい程憎く思うでしょ」
彼女の世話を僕に任せるというのは、監視をしろという事。
つまり死なれては困るのだろう。
だが、フェリドくんが彼女に飲ませた血は僕と同じ第二位始祖の物。
向こうが本気で殺そうとしてくれば僕も本気にならざるを得ないし、手加減すると僕が死ぬ。
この事に関して、彼はどう対処するつもりなのか気になったから質問をした。
フェリド
「多分大丈夫だよ。君には聖騎士の頃の実力もある」
クローリー
「はは、それ嫌味だよね」
昔、聖騎士として戦っていた僕を無理矢理吸血鬼にしたフェリドくん。
別に昔の事を掘り返して色々言うつもりは無いが、性格が悪いにも程がある。