第26章 上位始祖との戦闘
フェリド
「殺せるなら殺してみろ〜。僕は強いんだぞ〜!」
クローリー
「おいおい!?」
こんな時までふざけられるなんて本当にフェリドらしい。
だが、これで第二位始祖を挑発してしまったのだ。
更に死を覚悟しなくてはいけない状況になった為、フェリドのおふざけに乗ってあげる余裕も一切なかった。
ウルド・ギールス
「なら死ね」
その言葉と共に剣に血を吸わせた彼の狙いはもちろんフェリド。
目の前にいる私達にも見えない程の速さで、彼はフェリドに斬りかかっていた。
フェリド
「あはっ、真っ二つだけど死んでないよー」
クローリー
「ちょっ…」
下半身から切り離されながらも笑顔で話し続けるフェリドの姿を見て動き出したのはお兄ちゃん。
クローリー
「フェリドくん!!」
「え…」
ここにいるのは私よりも上位の始祖達だ。
そんな彼らが本気の速さで動いている今、目で追いつけない私は完全にこの状況から取り残されてしまっていた。
何かを拾ってフェリドの方へ向かおうとするお兄ちゃん。
でもその前にフェリドの上半身はウルド・ギールスによって空に向かって蹴り上げられてしまっていた。
「………」
それを見たお兄ちゃんはすぐにフェリドを追いかける。
そもそも人間ならともかく、吸血鬼ならあんな所に飛ばしても意味が無いとわかっているはずだ。
あそこに飛ばした目的は何だろうか。
「…まさか、紫外線防止リングはこっち?」
ふと視界に入ったのは残された下半身。