第26章 上位始祖との戦闘
本当に紫外線防止リングがこっちにあるなら今頃飛ばされたフェリドは太陽の光に晒されているだろうが、お兄ちゃんが追いかけたから大丈夫なはず。
それなら私がやらなくてはいけないのは、修復の為にこの下半身を届けるか守り抜くかのどちらかだ。
ウルド・ギールス
「もうお遊びは終わりだ」
「…………」
ここでの1番の強者であるウルド・ギールスはリーグと話しているが、全く隙がない。
しかも私より上位の吸血鬼が更に2人もいる。
到底出し抜けるはずもなかった。
ウルド・ギールス
「リーグ、お前の処罰は後で決める。ここで処刑するのはフェリド・バートリーだけだ」
「!」
動けずにいた私の耳に飛び込んできたのは状況が悪化したという最悪の事実。
先程までは拘束し、始祖会の協議にかけられるはずだったのに処刑すると断言した。
リーグ
「なめてると手強いかもよ?彼は…」
キ・ルク
「あは、なんですかねぇ。この鎖」
リーグも処刑について言葉を発したが、その言葉は体を貫いたキ・ルクの一撃により止められる。
だがその攻撃に対しての反応はダメージを追わなかったのか、すごく薄かった。
リーグ
「んー?」
レスト・カー
「キ・ルク。リーグ様の言葉を聞くのは危険だ」
そしてレスト・カーによって完全に口を開けないように押さえつけられてしまったので、もう何が言いたかったのか続きは聞けそうにない。
「…………」
ただ、そのお陰でチャンスがきた。
黙り込んだウルド・ギールスに、リーグの危険性について話し合う2人。
全員が完全に私から目を離していた。