第26章 上位始祖との戦闘
フェリド
「よく見てよ。僕って王子様顔だろ?」
クローリー
「全然わかんない」
フェリド
「えー」
お兄ちゃんにばっさりと切り捨てられてフェリドは少し不満そうだ。
だから私の意見を聞こうと思ったのか、こちらに視線を向けてくる。
「いや、でも顔だけなら……」
フェリド
「お!アリスちゃんはクローリーくんと違ってわかってるね~」
フェリドが調子に乗ってしまいそうで言いたくないが、これは純粋に感じた事だ。
お兄ちゃんが信じられないような目で見ている気はするけれど、つい正直に伝えてしまったものは仕方ない。
フェリド
「……さてと」
でも意外な事にフェリドはこの話にそれほど乗ってはこなかった。
フェリド
「父さん。あなたの時間稼ぎはこれくらいですかね」
フェリドはニヤニヤと笑いながら罪鍵を弄ぶ。
フェリド
「回復してここから、罪鍵の攻撃範囲から逃げ切れますかねぇ」
リーグ・スタフォード
「…………」
フェリド
「はぁ……、これで終わりですか?」
何も口を開かなくなってしまったリーグ。
その光景を見たフェリドから笑顔がまた消えてしまった。
フェリド
「1000年の追いかけっこがこんなにも簡単に終わるなんて……、人生は結局こんなものなのかなぁ」
落胆したようなフェリドの様子から、リーグへの興味が薄れていっている事が伝わる。