第26章 上位始祖との戦闘
フェリド
「無駄なあがきだ。もう終われ、父さん」
拘束されている右腕とは反対の腕で、フェリドは剣をリーグへと突きたてた。
リーグ・スタフォード
「お前を吸血鬼にしたのは失敗だったよ、フェリド・バートリー」
何度も何度も体を刺されているリーグ。
彼は自身を刺し続けるフェリドへ、そう静かに声をかけた。
フェリド
「それ、意味ある発言かなぁ」
リーグ・スタフォード
「お前は最初から異常だった」
「…………」
嚙み合わない会話。
この異常な光景にお兄ちゃんを見るが、お兄ちゃんも何とも言えない表情で2人を見ていた。
フェリド
「えー、僕は最初からまともだったでしょ。だって僕は王家の第二後継者だよ?」
クローリー
「はい?」
そんな話初耳だ。
人間時代のフェリドが王家の人間だったなんてあり得るのだろうか。
「これが王子……?」
フェリド
「そうだよ。僕は聖人君主になる為の厳しい教育を受けてた」
リーグ・スタフォード
「…………」
フェリドは真面目な顔でそんな事を言うし、リーグは特に否定もしない。
ではフェリドが言っている事は事実なのかもしれない。
そう信じかけた時だった。
クローリー
「いやいや、王子なの?噓でしょ?」
「え?これも嘘?」
疑いの目を向けながらお兄ちゃんはフェリドを問い詰める。