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罪と罰【終わりのセラフ】

第26章 上位始祖との戦闘




フェリド
「意味だってさ、どう思う?」


そう言ってフェリドは私とお兄ちゃんへと問いかける。


フェリド
「生きる意味を子供に教えるのが父親の仕事だと思うけど……、父さんに生きる意味教わった?」

クローリー
「いや、試験管に入った父さんの血を君が無理やり飲ませたんだろ?」

「私もね。だからこの場合だと教えなくちゃいけないのはフェリドでしょ」


リーグ・スタフォードは私が自身の血で吸血鬼になっていた事を知らなかった。
だから吸血鬼としての父親のような存在はフェリドのなるのだ。


フェリド
「え、僕は責任感の塊だからちゃんと教えたじゃん」

「は?」

クローリー
「聞いた覚えないけど」


フェリドから生きる意味なんて教わっただろうか。


フェリド
「嘘だぁ。アリスちゃんはもちろん、クローリーくんには特にしっかり教えたって」

クローリー
「……?」


訝しげに眉をひそめるお兄ちゃん。
お兄ちゃんには特に教えたという事は私が吸血鬼になるよりも前の話である可能性が高い。


フェリド
「まず君の大切な人をぜーんぶ殺して……」

クローリー
「…………」


その一言でお兄ちゃんの顔から笑みが消える。


フェリド
「あんな事があっても全く世界は変わらない」


そこまで言うと、フェリドは私達から視線を外して空を見上げた。
戦場となったこの地とは反対に、清く澄んだ空。
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