第26章 上位始祖との戦闘
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フェリド
「あは~」
リーグ・スタフォードがいる場所は、罪鍵を片手にご機嫌なフェリドの後に続いてすぐだった。
「近いね」
クローリー
「だな」
どんどん濃くなる匂い。
きっともうすぐ私達の親である彼が視界に入るだろう。
フェリド
「パパー?大好きだから殺しにきたよ~」
罪鍵を壁に突き立て、金属音を響かせながら潜んでいた存在へと声をかけたフェリド。
そこにいたのはやはりリーグ・スタフォードだったのだが、彼は上半身だけになっていた。
第二位始祖だったこの吸血鬼をここまで負傷させれるなんて、あの罪鍵は本当にどういう物なのだろうか。
リーグ・スタフォード
「来たか、フェリド」
リーグ・スタフォードもフェリドが来る事はわかっていたらしい。
特に驚きも動揺も、あの吸血鬼からは何も感情を感じとる事はできなかった。
リーグ・スタフォード
「で?」
それどころか、殺されてもおかしくない状況なのに堂々としている。
リーグ・スタフォード
「これはどういう計画だい?」
フェリド
「計画?」
リーグ・スタフォード
「いったい私を殺して何の意味がある?」
フェリド
「意味?」
リーグ・スタフォードの質問をただ繰り返しているのは答える気がないからなのか。
私はフェリドとリーグ・スタフォードの関係や事情を知らないので、ただ黙ってそのやり取りを見ていた。