第26章 上位始祖との戦闘
ふざけていたのか、真面目に言っていたのかはわからないやり取りをしていた私達。
そんなやり取りもある事をきっかけに終わりを迎えた。
フェリド
「クローリーくんもアリスちゃんも気づいた?」
何の事か言われなくても何についての話かはすぐ理解できる。
そしてそれは私だけでなく、お兄ちゃんも同じだろう。
クローリー
「当然、血の匂いだ」
私達が反応したのはある血の匂い。
あまり知らない者の血のはずだが、私もフェリド同様に真剣になるのは体を流れる血のせいだ。
クローリー
「父さんの匂いだろ?」
フェリド
「あは」
フェリドは否定しない。
つまり、この近くであの吸血鬼が血を流しているという事だ。
「……リーグ・スタフォード」
先程フェリドによって爆発したリーグ・スタフォード。
この濃い血の匂いから、かなりの重症を負っていると思われる。
フェリド
「じゃあパパの所に行こっか」
フェリドは笑顔で血の匂いをたどり始めた。
その後を私もお兄ちゃんとついて行く。
リーグ・スタフォードの所へ行ってどうするつもりなのだろうか。
殺すか、取引するか。
どちらにせよ、重症なら私達が手を出す必要はほぼないはずだ。
フェリドがする事を見ていればいい。
私はそう軽く考え、上位始祖を敵に回す事の本当の恐ろしさを思い知らされるなんて微塵も頭になかったのだった。