第25章 4本の罪鍵
「じゃあお兄ちゃんはわかるわけ?」
クローリー
「ああ、予想はついてる」
それは想定外だ。
てっきりいつもと同じようにお兄ちゃんもこちら側だと思っていた。
フェリド
「それならわかってないのはアリスちゃんだけって事だね」
「フェリドが言えば済む話なんだけど」
フェリド
「そこは自分で考える力をつけないと」
「…うるさ」
お兄ちゃんから考えても私にはわからないと言われたばかりなのを知っていて、フェリドは自分で考えろと言う。
それなら私はお兄ちゃんの言葉の方を信じる。
つまり考えないという事だ。
*****
暮人
「逃がすな!百夜教の兵を拘束しろ!」
下では予想通り、戦闘が続いていた。
でも状況は変わっている。
「すごい血の匂い…」
血の匂いが充満しているこの戦場から百夜教が撤退しようとしているのだ。
もちろん暮人が簡単に許すはずもなく、百夜教はなかなか撤退できない。
フェリド
「いやー、みんな元気だねー」
私達はそんな中、戦闘に関わりもせずにただ歩いていた。
フェリド
「なんかお腹減らない?」
「そう?」
確かに血の匂いがすごいから吸血鬼はお腹が減っても仕方ないだろう。
フェリド
「それはアリスちゃんが小食なだけだって。ねえ、クローリーくん?」
クローリー
「確かにね。結構動いたからだろうな」