第25章 4本の罪鍵
「この状況で優ちゃん達の事を気にする必要ってある?」
フェリドはシノア隊の人間達がうるさいと言いたいのだろう。
それを察して、私はフェリドにそう質問した。
フェリド
「だって彼らは仲間だろう?気にしてあげるのが普通でしょー」
「………」
本当はどうなのか。
優ちゃん達を気にしているなんて馬鹿げた理由でフェリドが殺さないと決める訳がない。
そう思ったからこそ質問したのだが、今回は本当の理由を教えてくれるだろうか。
「………」
フェリド
「あは、そんな目で見ないでよ〜」
試しにじっと目で訴えてみた。
そしてこの反応で今回も彼は真実を語る気がないのだと理解する。
「もうこの件は話さなくていい」
フェリド
「あれー?すねちゃったのー?」
「あんまりうるさいと殴る」
フェリド
「アリスちゃんが怖いよー」
拳を見せてそう言うと、フェリドはお兄ちゃんの後ろへと逃げていった。
これで今回の話は終了という事だ。
だから私もこれ以上は追求しないし、フェリドもお兄ちゃんもこの事については状況が変わらない限りは話さないだろう。
クローリー
「じゃあこれからの話をしよう」
「だね」
ここは落ち着いているが、下では未だに百夜教と人間の激しい戦いが続いている。
私達もそろそろ移動すべきだろう。
クローリー
「次は何するわけ?」
私達を見て何度も頷くフェリドに問いかけるお兄ちゃん。