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罪と罰【終わりのセラフ】

第25章 4本の罪鍵




つまりまた真祖が出てくるという事だ。


「殺さなくていいの?」

フェリド
「誰をー?」

「シノア」


わかっているだろうにわざわざ聞いてくるフェリド。
でも怒らずに短く名前だけを答えた。


フェリド
「アリスちゃんなんて事を…」

「………」


どうやらまたおふざけが始まってしまったらしい。


「…何」

フェリド
「いやいやー。僕らの仲間であり、優ちゃんの家族でもあるシノアちゃんを殺すなんて言い出すから僕はびっくりしちゃったよ」

「でもそう思うのは当然でしょ?」


今、真祖はシノアの中で封印されている。
それならばそのまま殺してしまえば真祖が復活する事は少しの間だけでもないのではないだろうか。

ただシノアの無駄死にになる可能性も充分にある事も否定はできない。
でもやってみる価値はあるのだ。


クローリー
「アリスの言いたい事はわかるよ」

「だよね」


そしてお兄ちゃんも私の意見を否定する気はないらしい。


フェリド
「まあ、アリスちゃんもクローリーくんも吸血鬼だからその考えになるよねー」

「何それ嫌味?」

フェリド
「あはは、違うよ」


てっきり吸血鬼にしてきた張本人からの嫌味かと思ったが、違ったようだ。
ではどういう意味だったのか。


フェリド
「僕らはシノアちゃんを殺すのに抵抗なんてないよ?吸血鬼だから」

「ああ…」


それだけで言いたい事がわかってしまった。
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