第25章 4本の罪鍵
「…どうしたの?」
短く声を出したお兄ちゃん。
視線を向けて問いかけるが、お兄ちゃんは上から目を離さないままだ。
クローリー
「フェリドくんが何をするつもりなのかなんとなくわかった気がする」
「え…」
その言葉に上を見ると、フェリドはまだ辿り着いてはいなかった。
でもフェリドならあれくらいすぐにつくだろう。
クローリー
「あのスーツの男、見える?」
「うん」
クローリー
「あれがリーグ・スタフォード。多分フェリドくんは彼を狙ってる」
顔は見えないけれど服装はわかった。
そしてお兄ちゃんの言う通りフェリドはリーグ・スタフォードの背後へと現れる。
「わ…」
クローリー
「お、本当にやった」
そしてフェリドは何かをリーグ・スタフォードに突き刺した。
刺された直後、リーグ・スタフォードは爆発してしまう。
でもそれにばかり驚いていられない。
「…何?」
クローリー
「………」
真祖を囲むように3方向から光が放たれていたのだ。
クローリー
「フェリドくんが刺したのも、光を出しているのもあのナイフだよ」
「…じゃああの罪鍵は4本あった」
クローリー
「だね。あの3本を持っている中にフェリドくんはいないから」
あそこにはフェリドとグレン以外に誰がいるのだろうか。
目を凝らしてじっと見ていると、光が収まってきた。