第25章 4本の罪鍵
「………」
百夜教の男1
「………」
その反対に、地面にはフェリドに頭を踏みつけられているあの百夜教の男。
顔が地面に押し付けられていても何の反応もないのでまだ意識が戻っていないのだろう。
クローリー
「それにしてもずいぶんとご機嫌だね。フェリドくん」
フェリド
「んー、そうかなー?」
私が足元を見ていると、お兄ちゃんがようやくフェリドに声をかけた。
クローリー
「そうだよ。今のこの状況、この場所でご機嫌な奴ランキングナンバーワンは絶対に君だと思うよ」
フェリド
「ほんとにー?寧ろ緊張してるんだけど」
「緊張ってどこが?」
いつも以上に楽しそうなフェリド。
緊張なんて微塵も感じれない。
フェリド
「どう見てもしてるじゃんかー」
クローリー
「じゃあしてると仮定して、何に?」
お兄ちゃんも緊張していないと思っているみたいだが、話が進まないのでそこはもう突っ込まなかった。
フェリド
「ほら、このナイフを落とさないようにしなきゃってね」
「………」
クローリー
「………」
フェリド
「よっ。ほっ…!」
今、私達の前には人差し指にナイフを乗せてバランスを取っているフェリドがいる。
言っている事と行動が伴っていない。
クローリー
「真面目に話した僕がバカだったよ」
フェリド
「え、僕真面目に答えてるのに」