第25章 4本の罪鍵
フェリド
「じゃあ1つだけ助言をしよう」
「助言?」
フェリド
「そう、僕からのありがたい助言」
それは私が聞いた事の答えになるのだろうか。
わからないが、何も教えて貰えないよりは良い方だと思うしかない。
フェリド
「アリスちゃんは今から気配探知をやめた方がいい」
「は…?」
フェリド
「ずっと思ってたけどアリスちゃんの気配探知能力って他の吸血鬼よりも精度がいいんだよね」
クローリー
「言われてみるとそうだな…」
フェリドだけでなく、お兄ちゃんも言うという事はこれは冗談ではないのだろう。
みんな同じようにできると思っていたので全く気づかなかった。
フェリド
「だから今からも集中してると鬼の気配に呑まれるよ」
「鬼の気配?」
フェリド
「そうそう。後、今から深夜くん達もやばくなってくるからそれを感じ取って動揺しないようにね」
「…了解」
やはりフェリドは何かを知っている。
そしてこれから深夜達に何が起こるかも予想できているのだ。
でも何も助言をせずに別れたという事から、それは避けられないのだと察する。
だから何も聞かずに頷いた。
*****
フェリド
「てってれー」
十字架のナイフを玩びながら歌っているフェリド。
私達がついたのは百夜教の人間が大勢倒れている拓けた場所だった。
すぐ上ではあの激しい戦闘が繰り広げられている。