第25章 4本の罪鍵
深夜
「渋谷はもうダメかもしれない。敵がいないうちに一度撤退かな」
五士
「そうですねー。俺達じゃもうお手上げですし」
確かにそれが妥当だ。
優ちゃんがいたら自分も戦いに行くなどと言いそうなので、そこはこのメンバーで良かったかもしれない。
美十
「もう!こんな時にグレンはどこにいるんですか!!」
ただ問題はこれだ。
グレンがいないのならこの人間達は逃げれない。
見つかるまではここに残るに決まっている。
だからすぐに撤退はできない。
小百合
「外に出てきてないように思います。ね、雪ちゃん」
時雨
「ええ。恐らくまだ中にいるのかと」
深夜
「じゃあ、一度官舎に戻ってグレンと合流か」
仕方なさそうに言ってから深夜達はビルへと戻っていく。
それに私達もついて行くのかと思ったが、違った。
クローリー
「アリス」
「うん」
フェリドは中に入らずに上を見つめている。
お兄ちゃんに頷いてから私達はフェリドが見ている方向を見上げた。
フェリド
「いやー」
私達も同じように見上げたのに気づいたのか、突然フェリドが声を出す。
その声にフェリドを見るが、彼は上を見たままだった。
フェリド
「僕らの父さんは空ばっかり見上げてるなぁ」
クローリー
「君も父さんばかりを見上げてると思うけどね」
私はリーグ・スタフォードの事はあまり知らない。