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罪と罰【終わりのセラフ】

第9章 吸血鬼化




フェリド
「まぁ君の天使(セラフ)じゃないから良いだろう?それとも…」


そこで言葉を区切ると僕の方を見て笑った。
その瞬間、僕の体を悪寒が走る。


フェリド
「ミカくん連れていこうか?」

クルル
「…さっさと失せろ」

フェリド
「はーい」


フェリドはアリスを肩に乗せ、切り落とされた自分の腕を拾った。
そしてその手を使いヒラヒラと手を振ると、立ち去る。


クルル
「…チッ」

吸血鬼1
「………」


その姿が見えなくなると、癇に障ったのか忌々しそうに舌打ちをした。
舌打ちを聞いた他の吸血鬼に緊張が走る。


クルル
「…人間の状態は?」

吸血鬼2
「え?あ…はい、呼吸が止まろうとしてます」


その緊張の中聞かれた事が意外だったのか、戸惑いの声を上げるもすぐに答えた。
今にも途切れそうな意識を何とか保っていると、視界に入ってきたクルル。


クルル
「…おい人間、まだ生きたいか?私なら永遠の命をやれるぞ」


これは夢だろうか。
僕に永遠の命を与えたとして、彼女に得はないはず。
得があるとしても僕にはそんなもの必要ない。


ミカ
「……いらない」

クルル
「……!」


僕の答えが意外だったのか一瞬表情が固まったように見えた。
だが、すぐに不敵な笑みを見せると唇を噛み切って血を流しながら近づいてくる。


クルル
「お前に選択権はない。そしてお前は人間を…やめろ」

ミカ
「!?」


次の瞬間、僕の唇は塞がれて口移しで何かを飲まされた。
その何かを血と認識した時、形容しがたい痛みと熱さが僕を襲う。


ミカ
「うわああああああ!!!」


自分が自分ではなくなるような、体を作り替えられるような感じがする。
そして理解した。
僕は人間では無くなったのだと。
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