第25章 4本の罪鍵
あの名古屋での戦いで受けた幻術は本当にすごかった。
まだ実戦経験が未熟だった私だけでなく、戦闘に慣れている第十七位のチェスとホーンにも効いた炎の幻術。
あれをここですればこの人数を楽に倒せるだろう。
五士
「できない事はないけどその後は俺が使い物にならないからあんまりしたくないんだけどなー」
「じゃあもう少し力を抑えたりして…」
これではきりがないので五士にやらせようと説得していた時だった。
百夜教の人間達
「………」
小百合
「!?」
突然戦闘を止めた彼らは、それぞれが自身の胸に呪符を貼り付ける。
何か大技がくるのか。
「警戒して」
五士
「ああ、って…」
「嘘…」
距離を取っていないと戦いづらい五士へと呼びかけて警戒を強めたが、その必要はなかった。
何故なら私達の目の前で先程まで戦っていた彼らは上から出現した鎖に貫かれたからだ。
そしてそのまま地面へと崩れ落ちる。
貫いた鎖は体に貫通したままにだ。
五士
「なんだなんだ。何が起きた?」
美十
「自害したの?」
こんな状況で一斉に自害をするのはおかしい。
「呼吸音は聞こえる」
五士
「おー、よく聞こえるな」
耳を澄ますとこれだけいるので全員かはわからないが、呼吸はしている。
それを聞いて時雨は近くにいる男の首元へと手を当てた。
時雨
「確かに生きています」