第25章 4本の罪鍵
フェリド
「あ、ちなみに助けてあげたお礼はないの?」
深夜
「へ?あ〜、ありがとう」
そんな深夜にフェリドはお礼を催促し始める。
突然の事に深夜も驚いていたが、言わなきゃ終わらないと察したのだろう。
フェリド
「いやいや、礼には及ばないよ。仲間だから当然さー」
深夜
「…自分がお礼しろって言ったんじゃん」
深夜にお礼を言われたフェリドは何度も頷いて満足そうだ。
いつも通りからかって遊んでいるフェリドに振り回されている深夜。
その深夜にフェリドは近づき、馴れ馴れしく肩に腕を乗せた。
フェリド
「でもそんなにお礼がしたいならちょっと僕に従ってよ。君、狙撃が得意なんだろ?」
「ちょっと。仲間だから助けたって話じゃなかった?」
話が変な方向にいき始めている。
だから先程、フェリド自身が言った言葉を質問にしてそのまま返した。
フェリド
「仲間でもそういう所はしっかりしないと長く付き合っていけないからね〜」
「…なるほど」
本当に口が回る吸血鬼だ。
フェリドの言う事は一理あるから私も納得してしまう。
深夜
「いやいや、僕は長く付き合いたくないんだけど」
私達の話を聞いた深夜は嫌がってフェリドから距離をとった。
フェリド
「今日は僕より全然強い奴をぶっ飛ばさないといけないからさー。大変なんだよねー」
深夜
「君より強い奴って嫌だなー」